全世界で600万人以上のユーザー数を擁する「SOLIDWORKS」。毎秋国内で開催する年次イベント「SOLIDWORKS WORLD JAPAN」が、今年から「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2020」と新しい名称となり、11月10日(火)~30日(月)に開催されました。初めてオンライン形式で開催した同イベントでは、「エクスペリエンスで拓く新次元のモノづくり~New Dimension With EXPERIENCE」をテーマに、基調講演、分科会セッション、パネルトークを通して、新たなポートフォリオとなる「3DEXPERIENCE Works」と、最新バージョン「SOLIDWORKS 2021」についてご紹介しました。
3DEXPERIENCE Worksは、クラウド上で展開されるダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームをベースとした新たなポートフォリオで、これにより、従来のSOLIDWORKSの機能性が大幅に拡張されました。今回は、同イベントで公開された2つのセッションを基に、3DEXPERIENCE WorksおよびSOLIDWORKSについて解説します。
3DEXPERIENCE WorksとSOLIDWORKSの関係とはー。
「3DEXPERIENCE プラットフォームのご紹介」 ソリッドワークス・ジャパン株式会社 田口 博之
3DEXPERIENCE WorksやSOLIDWORKSを語る前に欠かせないのが、3DEXPERIENCE プラットフォームです。ダッソー・システムズが展開している3DEXPERIENCEプラットフォームは、エンジニア、プログラマー、デザイナー、マーケティング担当者など様々な職種の人にとって、職種や部署の垣根を越えた「ビジネス・エクスペリエンス」のプラットフォームとしてオンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウドで提供されています。プラットフォーム上に展開される製品群を活用することで、設計データ管理や概念設計、タスク管理、高度なシミュレーションによる設計検証などの様々な機能が提供されており、人と情報を一つのプラットフォーム上に集約して、ビジネスの生産性向上を実現することができます。
2020年より、3DEXPERIENCE プラットフォームが提供している様々な製品群の一つとして、3DEXPERIENCE Worksポートフォリオが追加されました。3DEXPERIENCE Worksでは、ユーザーの仕事上の役割に応じて機能(アプリケーション)を選択することが可能で、これは「ロール」と呼ばれる単位で提供されています。SOLIDWORKSもロールとして提供されており、従来のデスクトップ版に加えて、3DEXPERIENCEプラットフォーム(パブリッククラウド)への接続機能を搭載した3DEXPERIENCE SOLIDWORKSで活用できる仕組みになりました。これによりユーザーは、コラボレーションに注力した次世代型の設計・開発環境での作業が可能になります。
有機的な形状を素早く作成して、協業を促進するクラウドベースの「xDesign」と「xShape」
SOLIDWORKS を拡張・強化する 2 つの新製品 ソリッドワークス・ジャパン株式会社 舩橋 聡
今日、デジタル化と市場のマス・カスタマイゼーションが急速に進む中で、商品の製造前の過程である設計や造形を重視する動きが広まっています。それに応じて、設計・造形における正確性やスピードに対する要求は高まっており、高いパフォーマンスを持つツールの導入が求められています。その中でお客様はSOLIDWORKSを活用して、三次元設計をする際、その他の製品を併用することで効率性の高い作業を実現し、短期間で設計・造形を完成することができます。
3D Creatorに含まれる「xDesign」は、エンジニアやデザイナーがブラウザ上で設計を実行できる完全ブラウザベースの三次元モデリングツールです。xDesignの最大の特徴として、設計における「構成要素」の作成と「設計ガイダンス機能」が含まれており、これを活用することで製品ライフサイクルを大幅に改善することができます。
xDesignでは、部品やアセンブリの構造を心配することなく、設計に応じてユーザーが自在に構成要素を作成・編集することができます。また、設計ガイダンス機能が組み込まれたことにより、ユーザーは画面上で、製品の利用状況を想定した拘束や荷重を定義することで 、設計形状のアイデアを得ることができます。これらの機能を通して、作業者の手間と時間を削減し、生産性とスピードを向上することが可能となります。

設計ガイダンスにより提示された形状のアイデア(赤枠内)
また、造形デザインを行う際には、3D Sculptorに含まれる「xShape」を併用することで、粘土を引っ張ったり、縮めたりするような操作で形状を作成する「サブディビジョンモデリング」が実行できるようになります。パラメトリックなモデリングよりも一層直感的な操作性で、複雑な形状を素早く作成できるため、人の手に触れる物や曲面的な形状を持つ外装デザインに適しています。また、SOLIDWORKSデスクトップ版と3DEXPERIENCE プラットフォームのシームレスな接続により、ユーザーは設計ワークフローを効率化することができるようになります。

xShapeは従来よりも操作性が上がり、様々な形状の造形を素早く行うことができる
以上、2つのセミナーで解説した内容についてまとめて紹介しました。今回の「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN」が、ご参加していただいた皆様にとって、エクスペリエンスで拓く新次元のモノづくりのためのヒントだったり、新次元のモノづくりにおけるデジタルトランスフォーメーションに挑戦していくためのきっかけになることを願っています。
SOLIDWORKSでは、今後もユーザーの皆様およびものづくりに関わる方々の生産性向上につながる機能を開発してまいります。是非、来年の「3DEXPERENCE WORLD JAPAN」にてまた皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
SOLIDWORKSおよび3DEXPERIENCE Worksに関する詳細は、下記ページよりご確認ください。
SOLIDWORKS公式ウェブサイト:https://www.solidworks.com/ja
3DEXPERIENCE Worksに関して:https://www.solidworks.com/ja/3dexperience-works
投稿 「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2020」 を振り返る~SOLIDWORKSと3DEXPERIENCE® Worksがもたらす設計の変革~ は ダッソー・システムズ株式会社 公式ブログ に最初に表示されました。