グローバルな事業を展開するキヤノングループにおいて、国内事業を中心にビジネス展開を図るキヤノンマーケティングジャパングループ。そのなかでITソリューション領域における基幹企業がキヤノンITソリューションズ株式会社だ。製造業に対しても幅広いソリューションを提供している同社は、現在、ダッソー・システムズのパートナー企業として、要件管理ソリューション『Reqtify(レクティファイ)』を活用したシステム開発サポートに注力している。
同社SIサービス事業本部の皆さんに、『Reqtify』の魅力や強み、そして市場から求められる背景について聞いた。
システム開発の現場で高まる、品質と生産性の向上ニーズ
「当社はメーカー系SIer(システム・インテグレーター)として、製造・設計分野のITソリューションを得意分野としています」と自らの強みを語るのは、SIソリューション事業部の事業部長を務める佐藤浩一さんだ。
「近年のシステム開発において強く求められているのが、品質と生産性の向上です。特に自動車や電子機器を制御する組込みソフトウェアの分野では、いかに開発効率を高めてコストダウンや納期短縮を図るかが問われる一方で、これまで以上の高品質が求められています。当社では、こうした開発現場のニーズに大きく2つの側面から対応しています。1つが自動化ツールなどによって開発業務を支援するシステム開発基盤(フレームワーク)、もう1つが開発プロセスそのものの品質や効率を管理するALM、すなわちアプリケーション・ライフサイクル・マネジメントです。このALMソリューションを展開するうえで、強力なツールとなっているのがダッソー・システムズさんの『Reqtify』です。」
他のALMツールとの最大の違いは、トレーサビリティへの対応力
「当社がダッソー・システムズさんの『Reqtify』を扱うようになったきっかけは、2011年に発効された自動車業界向けの機能安全規格ISO26262でした」と、SIソリューション開発第一部の澤木孝さんが語る。
「ISO26262では、システムの品質を維持・向上させるため、自動車メーカーや自動車部品サプライヤーに対し、開発当初からの要件定義の変遷や検討プロセスを遡って検証できるトレーサビリティ(追跡可能性)の仕組みを求めていました。当社では、それまで他社製のALMツールを扱っていましたが、より良いツールを探し求めていたところ、『Reqtify』に出会ったのです」
では、『Reqtify』と他社のALMツールにどのような違いがあったのか?同じくSIソリューション営業第一部でダッソー・システムズ製品の営業を担当する佐藤能功さんに聞いてみた。
「他社のALMツールでは、トレーサビリティの仕組みをつくるために、データベース(DB)に開発当初からのドキュメントや仕様書などをすべて格納する必要があり、それには多大な労力とコストを要しました。『Reqtify』が優れているのは、ドキュメント類に後からタグ付けするだけで、容易に関連情報をトレースすることができるという点にありました。つまり、ユーザーにとっては、新たにDBを必要とせず、トレーサビリティが実現可能になる。そうした利便性が『Reqtify』の最大の魅力と言えるでしょう」
トレーサビリティ対応を強みとする『Reqtify』の導入が、キヤノンITソリューションズ株式会社とそのユーザーにどのようなインパクトをもたらしたのか、次回はその詳細についてお伝えする。