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東洋ビジネスエンジニアリング 菅原一雅さんが説く!Vol.1

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製造品質は悪くない、在庫管理はできている、輸送は問題ない、それなのに何故余計なコストが発生するのか?

 

企業にとっての本当の課題とは何か。それは本当の原因をきちんと分析し、社内で共有・説明できていないことだ。もっと言えば、共有・説明できていないだけでなく、課題自体が、なんとなく、とか、現場の勘、といった暗黙知識としてしか認識されていないケースもあるという。企業内システムの最適化を提案する、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(以下B-EN-G)の営業部副部長、菅原一雅さんも「ビジネスのスキームが変化しているのに、往々にしてその変化に対応するためのシステム構築が追いついていないことがある」という。どういうことか。

 

 

「例えば、一昔前のメーカーでは製造、在庫管理、販売、配送までの製品の全体的な流れ――いわゆるサプライチェーンをすべて日本本社で統括・管理するのが当然でした。ところが市場とサプライチェーンのグローバル化が進み、多くの現場管理は海外の異文化圏に委ねることになった。すると作業員の暗黙知、スキルや、日本人の得意な「行間を読む」コミュニケーション技術に頼っていた部分がいかに大きかったかということに直面します」

 

原因不明で設備が止まってしまう。製造ロットごとの品質管理ができない。データの蓄積もなく、設備の不具合や故障にどう対応してよいかすぐにはわからない……。製造現場にはつきもののそれらの課題も、国内ならなんとか職人技やマンパワーで解決できていた。ところが、文化が異なる海外工場では、そうはいかない。

 

「基本的に日本人はまじめで勤勉ですから、社内のシステムも性善説に基づいて構築している企業が多いようです。前述の「行間を読む」コミュニケーションでも触れましたが、「ここはわかっているだろう」の部分がカバーされていない。ところが『労働サービス提供』に関する価値観の異なる国では、この性善説に基づくシステムでは対応しきれないケースを多く耳にします。だからこそ、製造現場管理システムの導入が必要となるわけですが、実は本当の課題は別のところにあって、それぞれの現場だけでなく、製造から販売までの全体を俯瞰できるシステムを導入しないと解決しないこともあります」

 

製造業の「ものづくり」活動は「製造領域」「サプライチェーン領域」の二つに大別される。「製造領域」ではパーツひとつ数銭円単位でギリギリまで切り詰めて管理している。一方、「サプライチェーン領域」では製品ひとつあたり、数万円単位のムダな物流コストが出ているケースがあるという。

 

「製造品質は悪くない、倉庫オペレーション、それこそ在庫管理はできている、輸送品質自体は問題ない。なのに、全体が見えていないから、ものすごいムダが出てしまったというケースがあります。例えば、発注した個数と納期が中継する輸送手段とキャパシティーの齟齬を起こし積み残しやカラ車を発生させる、販売予測の見込み違いで保管倉庫のキャパシティーがないなどが原因となり急遽手配する外部倉庫で高い保管料がかかってしまうケース等です。」

「こうしたケースだと問題は製造現場ではなく、「製造領域」と「サプライチェーン領域」の両輪の情報連携ができていないことが最大の問題です。」

 

だから、2つの領域をカバーできる、製造実行管理(Manufacturing Execution System)と物流実行管理(LES:Logistics Execution System )の機能を併せ持つダッソー・システムズの実行管理システム『DELMIA Apriso(以下 Apriso)』が有効だと菅原さんは言う。「工場をグローバル展開している企業にとって、製造から輸配送まで一貫して管理できるAprisoは、情報連携による見える化でムダなコストの発生を防ぐことに役立つのです。」

 

また、菅原さんは「ものづくり」活動の製造とサプライチェーンの連携のほかに、「前段階であるエンジニアリングチェーンとの連携が取れていないのが理由というケースもあるという。

 

 

「ものづくりは、企画・設計のエンジニアリングチェーンと製造のサプライチェーンが両輪となって進めなければならない。ところが、情報連携ができずに、ここでムリやムダが発生してしまう。例えばありがちなのは、現状の部品在庫を考慮せずにリリース日を設計側の都合だけで決めてしまう。部材調達在庫のことを考えずに決めてしまうから、どうしてもムリ・ムダが出てくる。それでも国内で行う分には製造現場側のベテランたちが調達会社含めて調整し、なんとかムダのないようにしてしまう。しかしそれでも大量に廃棄部材が出たり、返却したりとムダなコストがかかってしまう。設計側が在庫を見ていればそうしたロスは出さずに済むはずです」

 

菅原さんは「設計と製造の情報連携をするだけで、実に70%ものコスト改善の可能性がある」という。そして情報連携の先にある一体化をいち早く進めたのが、ダッソー・システムズの3Dエクスペリエンス・プラットフォームだったのだ。

 

「特にダッソー・システムズの製造実行管理システム(Apriso)があると設計・製造・保守サービスといったIoTの水平統合が当たり前のようにできるようになる。その時点で素晴らしいのですが、Aprisoの本当のすごさはその先の垂直統合にあります」

 

その「垂直統合」については、後編で紹介する。

 

今回ご紹介したダッソー・システムズの製造実行管理システム『DELMIA Apriso』についてのホワイトペーパーでは、具体的にどんな機能で設計と製造の情報連携を実現するのかをご覧いただけます。ご興味のある方はぜひご覧ください。

 

▼ダウンロードはこちら
製造・物流実行管理ソリューション DELMIA Apriso

 

他にも、エンジニアに蓄積された経験則をシステム化することで製造の歩留まりを下げる、『DELMIA Operations Intelligence』についても紹介しています。

 

▼ダウンロードはこちら
製造品質カイゼンのための解析ソリューション DELMIA Operations Intelligence

 

Text/Tatsuya Matsuura


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